2023年の年末、ヨガニドラのトレーニングコースを受け、
その可能性にワクワクしているヨガ指導者です。
ヨガニドラは、
「病院にいくほどではないけれど何だかスッキリしないな」
と思っている方や、
「特に不調はないけれどもう少しパワフルに活動したい」
と思っている方など、
今の状態をレベルアップしたい全ての方に効果的なリラクゼーション法です。
このページでは、そんな究極の癒し「ヨガニドラ」をていねいに解説していきます。
ピンポイントで知りたいことのある方は、気になる項目までジャンプしてください。
ヨガニドラってなんですか?
そもそもヨガニドラって何?
という方のために、
ヨガニドラの言葉の意味や特徴などを解説します。
「ある程度知っている」、
という方は、気になる項目に飛んでも問題なし。
興味をひかれるところから読んでみてください。
ヨガニドラとは
Yoga:
Yoga(ヨガ、ヨーガ)の語源はサンスクリット語の「Yuju(ユジュ)」。
ユジュとは、「繋ぐ・結びつける」といった意味を持ちます。
本来の自己、一番素晴らしい状態の自分と繋がるための方法がYogaなのです。
Nidra:
Nidra(ニドラ)はサンスクリット語で眠りを意味します。
もともとサンスクリット語なので、日本語では「ニドラ」、「ニードラ」、「ニドラー」などさまざまに発音されますが、どれも間違いではありません。
自分が一番心地よく感じられる読み方を選びましょう。
Yoga Nidra:
YogaとNidraを合わせたヨガニドラは「眠りのヨガ」、「睡眠のヨガ」です。
ヨガニドラの発祥
インドのヒマラヤ地方に古くから伝わる瞑想法の一つです。
睡眠時間を有益に使う、自己実現のための瞑想法として、ヨガの修行者によって実践されてきました。
現代の自律神経訓練法や睡眠学習のルーツとも言われます。
リラクゼーションや睡眠の導入、集中力や記憶力の向上に役立てられています。
ヨガニドラの特徴
続いて、ヨガニドラの特徴をあげてみます。
- 眠りのヨガで、「まどろみ」状態を継続させるメソッド
- カラダを動かさず、寝たまま行える
- 身体状況を選ばず、ヨガの経験を問わない
- ガイドに耳を傾ける受動的なヨガなので簡単に行える
- 人の意識の95%を占めると言われる潜在意識に働きかける
- 心身ともにすっきりとした状態に導く究極のリラクゼーション
- 脳と心身を同時に整えることができる
- 深いリラックス状態の時に現れる脳波、シータ波(θ波)が現れる
- 簡易瞑想であり、瞑想の準備にもなる
ヨガニドラの特徴をもう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事ををどうぞ ▼
ヨガニドラにはどんな効果がありますか?
せっかくヨガニドラを実践するなら、どんな効果があるのか気になりますよね。
ヨガニドラには計り知れない可能性があるのですが、ここではその効果を簡単にご紹介します。
心への効果
ストレスを軽減する
ストレスで緊張が長く続くと、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
ヨガニドラは、この緊張のスイッチを切り、ストレスによる悪循環を断ち切ります。
心の不調を解消する
心が緊張するとカラダも緊張し、またカラダのこわばりは心に影響を与えます。
ヨガニドラはいつのまにか溜め込んだ緊張をほぐし、心の正常な働きを取り戻していきます。
カラダへの効果
体調をよくする
心の不調や緊張は、カラダにさまざまな悪影響をもたらします。
ヨガニドラは、自律神経のバランスや免疫システムなどを回復し、体調をよくしていきます。
コリや疲れを取り除く
ヨガニドラのプログラムに含まれるボディスキャンによって、カラダのあらゆる部分が芯から緩み、コリや疲れが取り除かれます。
眠りの質を高める
ヨガニドラの単調なガイドは眠気を誘い、脳の興奮や緊張もしずまって、入眠を促します。
緊張がほぐれる
緊張には4つの種類があります。
・筋肉(カラダ)
・呼吸
・感情
・記憶や判断(精神)
です。
ヨガニドラでは、これら4つの緊張をさまざまなレベルから解放します。
人生への効果
心の切り替えが上達する
ヨガニドラで行われるイメージ瞑想でイメージを次々と切り替えていくことは、日常における感情の切り替えも上達させます。
記憶や感情の整理ができる
私たちの潜在意識には、あらゆる記憶や感情が納められています。
ヨガニドラで古い情報を手放すことは、記憶や感情の整理につながります。
生き方を変えてくれる
ヨガニドラのまどろみの中で自分と向き合っていると、こだわりなどから解放され、本来の自己と向き合えるようになります。
この継続が、自信に結びついていきます。
ヨガニドラの効果をもう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事ををどうぞ ▼
一般的なヨガニドラの流れはどんなものですか?
「①ヨガニドラってなんですか?」でも紹介しましたが、
現在、一般的に行われているヨガニドラは、ヒマラヤ聖者のテクニックを現代版にアレンジしたものです。
ヨガニドラの流れは、プログラムの内容や時間、必要な要素などによって細かい部分が変更されることもありますが、大まかな構成は決まっています。
順番にみていきましょう。
始める前に
最後まで落ち着いた状況で行えるように、
ドアを閉める、携帯の電源オフにする、適切な部屋の温度にする、
など環境を整えます。
必要であれば、枕やブランケットを用意します。
夜、寝る前に行う場合は、そのまま眠ってしまってもいい状態にしておきましょう。
叶えたい願いがある場合は、サンカルパ(決意・願望)を決めておきます。
実践
- 準備
シャヴァ・アーサナ、もしくは仰向け・座位など心地よい姿勢になる。
腰や膝が痛い場合は、膝の下にたたんだタオルを敷くなど、快適な状態になります。 - リラクゼーション
カラダに力を入れたりゆるめたりする緊張と弛緩を繰り返し、筋肉や神経をリラックスさせます。 - サンカルパ(決意・願望)
叶えたい願望がある場合は、すでに実現したイメージで潜在意識に宣言します。
望んでいることが特にない場合は、この時間はリラックスする時間にあてます。 - ボディスキャン
カラダをできるだけ動かさず、カラダの各部位を丁寧に感じます。
「自分は今リラックスしている」と、リラックスしたつもりになることが大切です。 - 呼吸の意識化
自然な呼吸や、ガイドで聞こえてくる場所を意識した呼吸を行います。吸う息、吐く息を丁寧に感じます。 - イメージ瞑想
聞こえてくる言葉を鮮やかに思い描くことで、イメージ力を高め、ポジティブな脳の働きを養います。 - サンカルパ
瞑想が一番深いところで、再びサンカルパを宣言します。 - 目覚め
ゆとりを持って終わりをむかえます。
ヨガニドラで体験した内なる安らぎ、調和を保ったまま、少しずつ現実の世界に戻っていきます。
ヨガニドラで唱えられるサンカルパをもう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事ををどうぞ ▼
なぜ現代人にヨガニドラがおすすめなのですか?
現代を生きる私たちは、多種多様なストレスにさらされています。
「②ヨガニドラにはどんな効果がありますか?」でも少し触れましたが、なぜ現代人にヨガニドラがおすすめなのかを解説します。
現代人とストレス
強いストレスにさらされると、心拍数、血圧、呼吸数が増え、筋肉が緊張し、戦うか逃げるかに適したカラダの反応を引き起こします。
この反応は、私たちの祖先が類人猿であった時から変わっていません。
ところが、現代社会ではストレスが多様化しており、そんな状況に対応するべく、交感神経が優位な状態になりがちです。
この状態が続くと自律神経のバランスは崩れ、体調に支障をきたし、ストレスを抱えることになります。
自律神経の乱れ
「病院にいくほどではないけれど、なんだかスッキリしない」
と感じることはないでしょうか。
例えば、
疲れやすい
肩こり・首こりがある
なんとなく胃が重い・食欲がない
…
このような不調は、自律神経の乱れが原因かもしれません。
ヨガニドラは、ただ横になってガイドに身を任せるだけで、こうした自律神経の乱れを整えていきます。
ヨガニドラを生活に取り入れ、心身の調和を促し、充実した人生を実現していきましょう。
ヨガニドラがなぜ現代人におすすめなのかもう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事ををどうぞ ▼
実際に体験するにはどうしたらいいですか?
実際にやってみたいと思った方に、いくつか方法をご提案します。
自宅でも気楽に始められるヨガニドラ。
ぜひ、やりやすい方法で一度体験してみてください。
アプリ
気軽に試せるアプリがいくつかでています。
無料で試せるプログラムもあるので、気になったものを試してみましょう。
寝たまんまヨガ 簡単瞑想
ヨガスタジオ「スタジオ・ヨギー」を運営しているヨギーが企画・制作したアプリです。
元祖ヨガニドラアプリだと思いますが、「最後まで聴けない不眠解消アプリ」としても人気です。
寝たまんまヨガ 簡単瞑想 – 睡眠・癒し・マインドフルネス
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cocorus(ココルス) ~ココロうるおすリラクゼーションアプリ〜
累計200万ダウンロードを突破した「寝たまんまヨガ」のリニューアル版です。
「寝たまんまヨガ」は眠りに特化していますが、「cocorus」はASMRや自然音などヨガニドラ以外のプログラムも収録されています。
cocorus-マインドフルネス瞑想・睡眠の瞑想
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瞑想アプリMEISOON(メイスーン)」
ホットヨガスタジオLAVAオリジナルの瞑想アプリです。
こちらのアプリもさまざまな瞑想プログラムが用意されていますが、そのなかの「寝っころがり瞑想」でヨガニドラを体験できます。
MEISOON:LAVA監修・瞑想・マインドフルネス・安眠
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本(CD)
CD付きの本が何冊か出版されています。
新書では手に入らないものもありますが、ヨガニドラについての説明も書かれているので、読んで理解したい方にもおすすめです。
聞くだけでぐっすり眠れて疲れがとれる 寝たまんまヨガCDブック
アプリで紹介した「寝たまんまヨガ」の書籍化です。
「ヨガニドラ」のエッセンスを凝縮したCD付きブックで、CDには2つのプログラムが収録されています。
眠りのヨガ CDかけて、あとは寝るだけ
TV・雑誌でも有名な「ヨーガ」の第一人者、綿本彰さんによるヨガニドラの本です。
ヨガニドラについてはもちろん、瞑想についても詳しい解説が書かれています。
CDには著者による誘導音声が収録されています。
おやすみヨガ 音を聞きながら横になるだけ
著者自ら実演しているヨガニドラ中の姿勢や、ヨガのポーズの写真なども掲載されています。
付属のCDには、ロング、ミドル、ショートの3種類のヨガニドラが収録されています。
音声
Podcast(ポッドキャスト)
ポッドキャストアプリをインストールすれば、好きな番組や放送を選んで無料で視聴することができます。
Apple Podcast、Googleポッドキャスト、Spotify、Amazon musicなどで視聴できますから、すでに使っているサービスがあるならヨガニドラで検索してみましょう。
Apple Podcasts
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AmazonAudible
12万以上の対象オーディオブックやポッドキャストが聴き放題のサービスです。
定期的にキャンペーンが実施されますので、機会をみつけて試してみるのもおすすめです。
Amazonオーディオブック – オーディブル
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stand.fm.
株式会社stand.fmが開発している音声SNSアプリです。
このアプリは、誰でも、どこにいてもスマホひとつで配信を可能にしており、ヨガニドラの配信もされています。
stand.fm スタンドエフエム 音声配信プラットフォーム
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YouTube
『眠りのヨガ』の著者、綿本彰さんのプログラムなどもアップされています。
まずはYouTubeで聞いてみるのもよいかもしれません。
YouTube
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スタジオ
自分が通っているスタジオがある場合は、ヨガニドラのクラスがあるか問い合わせてみましょう。
ヨガニドラをする時に気をつけることはありますか?
ヨガニドラはどんな方でも気楽に行えるヨガですが、少し意識すればより効果がアップします。
そんなちょっとしたポイントをあげておきます。
空腹や満腹状態を避けて行う
ガイドを聞くためには、脳に血流が必要です。
お腹が空きすぎて集中できない、あるいは満腹すぎてしんどい、などの状態は避けて行うことが望ましいです。
余裕のある時間で行う
深い瞑想からいきなり覚醒すると、潜在意識が傷つきます。
できるだけ、始まりと終わりに余裕のある時間を見つけて行いましょう。
一定の時間維持する
心地よく、一定の時間、姿勢を維持できる状態で取り組みます。
カラダを動かさない方がリラックスできるので、五感が満足する、快適な姿勢、快適な状態を探究してみましょう。
「寝ないようにしよう」と頑張らない
「寝ないようにしよう」とするその意識が雑念になります。
余計な思考は手放して、楽な気持ちで行いましょう。
Q&A
ヨガニドラを実際にやってみると、これってどうなの?という疑問がわいてくるかもしれません。
そんな疑問にお答えします。
Q. 途中で寝てしまいます
たとえば、電車で眠ってしまっても、自分が降りる駅に着くと目が覚めるという経験をしたことはありませんか?
眠っているようでも潜在意識は目覚めていて、車内アナウンスを聞いているのです。
それと同じように、途中で寝てしまっても、潜在意識はガイドの声を聞き取っています。
寝てしまっても大丈夫。「寝ないようにしよう」と頑張らないことが大切です。
Q. 集中できません
私たちの心はとても活発です。
ちょっと観察してみると、心が常におしゃべりしていることに気づくでしょう。
集中できなくてもいいのです。
心のおしゃべりに気づいたら、淡々とガイドの言葉に意識を戻しましょう。
気づくたびにガイドの言葉に戻ることが、瞑想の練習の第一歩です。
Q. イメージが浮かびません
最初は難しいと感じても大丈夫。繰り返していくほどに慣れていきます。
イメージ瞑想では、自分の思いや感情に対して客観的になることも目的です。
難しいと感じる気持ちを吐く息で手放しながら、練習を続けましょう。
Q. 動かない方がいいですか?
ヨガニドラでは、筋肉の弛緩を促し、リラックスを深めることが大切です。
カラダを動かすと、筋肉が能動的に収縮・緊張してしまいます。
ただし、不快な状態を我慢し、動きを封じようとすると、その感情が心身にこわばりを招きます。
もし動きたくなったら、なるべく受動的に、感覚を味わう方に意識を向けてみましょう。
Q. サンカルパは必要ですか?
サンカルパは、自分の決意や願望を言葉に表したものです。
心身が深くリラックスしている時にサンカルパを唱えることで、私たちの意識の95%を占めるといわれる潜在意識に言葉を伝えることができるのです。
とはいえ、サンカルパを考えるのが面倒であったり、生理的に受け付けないようであれば、無理にとなえる必要はありません。この時間はリラックスする時間にあてましょう。
Q. いつ行うのがいいですか?
いつ行っても自由です。
朝はすっきりとした目覚めを助け、夜は深い眠りへと誘ってくれます。
日中の短い時間でも、集中できる空間があればどこででも行えます。
たとえば、ランチタイムや休み時間など、隙間時間を活用してリフレッシュすることも可能です。
Q. 行う頻度は?
少しの時間でも、できるだけ毎日、あるいは2日に1回は行うことがおすすめです。
感覚的に上達していくものなので、繰り返すことで、より繊細にカラダを感じられ、リラックスが深まっていくことに気づくでしょう。
ただし、義務感で行うのはNG。「しなければ」という意識は緊張をまねくので、まずは気が向いたときに行うだけでも十分です。
Q. うまくできる時と、できない時があります
ヨガニドラに失敗はありません。途中で眠ってしまっても、集中できなくても、途中でやめてしまっても、どれもその時その時の正解です。毎回違うからさまざまな効果があるし、その時の自分を知る手がかりになります。
うまくやろうと気負わずに、楽な気持ちでガイドの声に耳を傾けましょう。
Q. 頭がぼーっとします
ヨガニドラはまどろみの状態を目指しているので、一時的にそのような状態になるのは望ましいことです。
終わった後のぼーっとする時間は、ヨガニドラで体験したリラクゼーションの効果を、自分自身に浸透させる時間。しっかりと浸透させてから、ゆっくりと日常に戻っていきましょう。
Q. マインドフルネスや瞑想との違いは?
マインドフルネスや瞑想と呼ばれるものは非常に多様であり、さまざまな説明がなされていますが、ここでは一般的な考え方を記しておきます。
マインドフルネス:「今、ここ」の体験に意識を集中すること。
瞑想:心をしずめて無心になること。心を空っぽにすること。
マインドフルネスと瞑想に明確な境界線はありませんが、ヨガニドラは瞑想のひとつのテクニックです。瞑想に難しさを感じている人も、ヨガニドラならとても簡単に、安心して行うことができます。
おわりに
いかがだったでしょうか。
この記事では、ヨガニドラについて一通りのことを知っていただけるように、7項目で説明してきました。
ヨガニドラは、体験すればするほど自分を整えてくれるヨガです。
ヨガニドラを日々の生活に取り入れて、日常を少しでも快適に過ごせる方が増えたら嬉しいです。