お金に対する抵抗があることはずっと自覚していました。お金に対して素直になれない、と言ったら変ですが、妙に構えてしまうのです。
こういう状態は、ヨガ哲学的にいうと「自分中心」ではなくて「お金中心」になってしまっているということなのですが、それが分かってもすぐに変わることはできません。
そんな課題を抱えつつ新しい年を迎え、お正月の新聞を開いた瞬間に目に飛び込んできたのが、この本の広告。思わず買ってしまいました。
きみのお金は誰のため ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」 [ 田内 学 ]
お金の取扱説明書は存在しない
どうしてお金が欲しいのか。
どうしてもっともっと欲しくなるのか。
なんだかお金に振り回されているような気がするけれど、それでいいの?
お金より大切なものがあるなんて言葉はよく聞くけれど、それって単なる綺麗事じゃない?
お金のことを考えると、何だかモヤモヤしてしまう…
この本は、そんなお金に対する悩みや疑問を物語でわかりやすく解説してくれる1冊です。
現代社会を生きる私たちにとって、お金は必要不可欠な道具です。
P22
ところが、その取扱説明書は存在しません。お金について学ぶ機会もないまま生きてきた人がほとんどです。 お金はきわめて便利な道具なのですが、時としてさまざまな問題を生み出します。
この物語の主人公のように、お金を道具として使いこなせず、鎖のように縛られて、人生の選択がお金中心になってしまうこともしばしばあります。
まさにこういう状態で生きてきた私にとって、本書のコンセプトに書かれた「お金を自分の意思に従って道具として使えるようになります。それは、新たな視点の発見でもあります。」という言葉は、明るい可能性を感じさせてくれるものでした。
大富豪のボスと2人の若者との会話で進んでいく物語。普通の小説のように読みながら、お金のいろいろな側面を知っていくことができます。
- お金自体には価値がない
- お金で解決できる問題はない
- みんなでお金を貯めても意味がない
これがお金の正体の真実。
私も、ボスと対峙する2人の若者と共に3つの謎に挑み、お金の正体を順を追って知ることができました。
とは言え、とは言えです。長年のお金への印象は根強い。まだ抵抗しようとするお金への強力な固定概念があります。
それでも、この本を読んだことによって、お金という「物質」を、少し客観的に眺められるようになった気がします。
お金との新しい関係を構築するために、年始に読んでおいてよかったです。
お金の奴隷から解放されたい人、お金に対する悩みや疑問がある人、大人から子供まで、多くの人におすすめしたい1冊です。