《書録》2025年上半期:読書のまとめ

読書

fuuingyogaに掲載している書録から、2025年の上半期に公開した書録を、ジャンルごとにご紹介します(ジャンルは私の感覚です)。
興味を持たれた方は、本編も読んでみてください書名をクリックすると本編にジャンプします)

小説

『アルケミスト The Anniversary Edition』パウロ・コエーリョ

世界的ベストセラー『アルケミスト』の出版25周年を記念して発行された美しい装丁本です。
20世紀の名作の一つとされる本書。
主人公のサンチャゴと旅を続けながら、人生の意味を紐解いていきます。


エッセイ・対談

『子どもの本の森へ』河合 隼雄、長田 弘

臨床心理学者の河合隼雄氏と、詩人で児童文学作家である長田弘氏が、子どもの本の「名作」について縦横無尽に語る対談集。
どもの本の世界には、大人をも惹きつけるたましいの原型が描かれています。


哲学(2冊)

『まんが 哲学入門 ── 生きるってなんだろう?』森岡 正博

本書は、哲学者である著者が自身の哲学的思考をマンガで描き下ろした本です。
マンガは、哲学的な思考のダイナミックな進み方を視覚的に追体験させてくれる技法です。この技法を最大限活用し、「哲学的に考える」ことを体験させてくれる一冊です。


『7日間で突然頭がよくなる本』小川 仁志

著者のいう「頭がよい」とは、「物事の本質をつかむことができる」ということ。
そんな「頭がよくなる」ために使えるツールが、哲学的思考です。
哲学を思考のツールにするための7日間が紹介されています。


その他(健康)(6冊)

『【図解】毛細血管が寿命をのばす』根来 秀行

全体の血管の99%は毛細血管だということを、ご存知でしょうか?。
私は、本書を読むまで知りませんでした。
いままで健康と毛細血管を結びつけて考えたことのない方は、一読必須です。


『「腸の力」であなたは変わる』デイビッド・パールマター

「すべての病気は腸から始まる」
と語ったのは現代医学の父であるヒポクラテスですが、本書は豊富なデータと事例をもとに、脳が体や脳に与える影響について明らかにしていきます 。


『フィット・フォー・ライフ』ハーヴィー・ダイアモンド

原著の初版は1985年。
『パブリッシャー・ウィークリー』誌が「世界の名著・ベスト25」に選出した不朽の書です。
健康長寿の「不滅の原則」が書かれています。


『眠っている間に体の中で何が起こっているのか』西田 昌規

睡眠の重要性を力説する本や情報は巷にたくさんあふれていますが、これまで全く取り上げられてこなかったテーマがこれ、「眠っている間に、人間の体のさまざまな臓器は、どのようになっているのか」。
本書ではその「どうなっているのか」を解説しています。


『東洋医学はなぜ効くのか』山本 高穂、大野 智

鍼灸や漢方薬は確かに効く。
ところが、なぜ効くのか、そのメカニズムにはわからない部分が多くありました。
この本では、西洋医学の知見や理論により、東洋医学の具体的なメカニズムが解き明かされるようになってきた現状を紹介しています。


『酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話』松本 俊彦、横道 誠

本書のもとは、太田出版のWebマガジンに連載された一風変わった往復書簡。
著者のふたりが、依存症をあくまでも「自分ごと」として語っています。
読み終わると、依存症に対する認識が新たになる一冊です。


その他(教養・実用など)(5冊)

『アイデアのつくり方』ジェームス・W・ヤング

上半期の一冊目に取り上げた本です。
本文はわずか50ページほどの小さな本ですが、「アイデアをどうやって手に入れるか」という問いへの解答が書かれており、半世紀以上にわたって世界中の人々を魅了しています。


『20歳の自分に受けさせたい文章講義』古賀 史健

この本の第一目標は「話せるのに書けない!」を解消すること。
自分の思いを「言葉だけ」で伝える書く技術は、一生使える武器になります 。
この本では、学校では教えてくれなかった書く技術が解説されています。


『言語化100の法則』山口 謡司

そもそも日本語は、世界でも最高難易度にランクインされるほど複雑で難しい言語です。
本書は言語化にまつわる法則を100にまとめて解説してありますが、難しい日本語を理解するためにも読んでおきたい一冊です。


『この世からすべての「ムダ」が消えたなら』バイロン・リース、スコット・ホフマン

本書の特徴は、ムダの多様さです。
ビジネスマンであるふたりの著者が、この世のムダの全貌に迫り、ムダにまつわるありとあらゆるトピックについて考えようという、ユニークで意欲的な内容になっています。


『お金のむこうに人がいる』田内 学

鍼灸や漢方薬は確かに効く。
ゴールドマン・サックスという資本主義ど真ん中の会社で働き、著者が確信したこと。それは、「お金はえらくない」。
そう確信した著者が、自分の頭で経済を考えるために書いた、経済の入門書です。


その他(絵本・詩歌など)(4冊)

『夜明けをまつどうぶつたち』ファビオラ・アンチョレナ

南米アマゾンの森林で発生した大規模火災の悲劇をもとに創作された作品。
太陽を探して漆黒の闇を進む動物たちの姿、追い詰められる動物たちの姿は、わたしたちと重なります。
動物たちの祈りの声が聴こえてくる一冊です。


『ヨシ 3万7千キロをおよいだウミガメのはなし』リン・コックス

たったひとりで2年2ヶ月、3万7千キロ ── 。
これは、『ヨシ』と名付けられたウミガメが泳いだ距離です。
20年間保護されていたウミガメが生まれ故郷の砂浜へと向かう、驚異の実話をもとにした物語。


『まぼろしの雲豹(ウンピョウ)をさがして』鄒駿昇(ページ ツォウ)

雲豹は、肉食目の大型ネコ科に属する、台湾固有の哺乳類です。
そんな雲豹に魅せられ、150年の年月を超えて行動する二人の男の姿を描いた絵本です。
姿は見えずとも、雲豹の存在を願いたくなる作品です。


『しずかなおきゃくさま』ヌリア・フィゲラス

1日24時間365日、音が氾濫するこの世の中で、静けさはいったいどこにあるのか ── 。
お留守番中のこぎつねと「しずけさ」とのひとときが、静寂のもたらす豊かさを教えてくれます。


おわりに

2025年の上半期は、健康関連の書物をよく読みました。
毎日動いてくれている私のカラダ。
一番身近なはずなのに、実は知らないことが多く、まだまだ神秘的な存在です

そして、絵本の面白さにも、再び気づくことのできた上半期でした。
絵本をゆっくりとめくる時間は、言葉では言い表せない豊かなものを、私のなかに残してくれるのです。

そんな上半期の書録。
この記事を読んでくださった方に、一冊でも気になる作品がみつかれば嬉しいです。

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