知っておきたい「ナッツ」と「豆」の違い 〜心身を軽やかに保つためのヒントを解説しています〜

食の周辺

巷に溢れる健康情報に、迷ってしまうことがありませんか?
私もうろうろと迷っていた時に、健康的な生活について全般的に学ぶ機会がありました。
そこで学んだ中から、これは自分の生活に生かしていきたいな、と思った事柄を少しずつまとめています。
この記事を読まれたどなたかのお役に立てば嬉しいです。

美容と健康に効果的でヘルシーなスナックとしても注目されているナッツ
でもこの2つ、何が違うのでしょうか。
この記事では、ミックスナッツで定番のナッツと豆について整理してみました。

ナッツとは?

■一般的な定義
 ・木の実の種子の中にある仁を食べるもの
  (一部、実の部分や種子そのものを食べるものもある)
 ・多くは本木植物(木や低木)から採取される

■主なナッツ
 アーモンド、クルミ、カシューナッツ、マカダミアナッツ、ピスタチオなど

■摂取方法
 ・スナックとしてそのまま食べる
 ・サラダなどにトッピングする
 ・製菓材料として使用する

■栄養成分
 ・健康的な脂肪(不飽和脂肪酸)を多く含む → 高脂肪、高エネルギー
 ・たんぱく質、ミネラル、ビタミン、食物繊維も豊富

[ ナッツの栄養成分の構成割合 ]
(参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2003年)

  たんぱく質 脂質 炭水化物 特に豊富な栄養素
アーモンド 約20% 約50% 約20% たんぱく質
食物繊維、ビタミンE
クルミ 約15% 約70% 約10% オメガ3脂肪酸
カシューナッツ 約20% 約50% 約25% ミネラル
マカダミアナッツ 約10% 約80% 約10% 不飽和脂肪酸
ピスタチオ 約15% 約55% 約20% ビタミンB6

豆とは?

■一般的な定義
 ・マメ科植物の種子で食用になるもの
 ・多くは一年生または多年生の草木植物から採取される

■主な豆
 大豆、小豆、インゲン豆、えんどう、ひよこ豆、そら豆、ピーナッツなど

■摂取方法
 ・世界中のさまざまな料理に調理する
 ・味噌、醤油、豆腐、植物油などに加工する
 ・豆菓子や製菓材料として使用する

■栄養成分
 ・含まれている主要栄養成分により、2つのグループに分けられる
   ①脂肪を多く含むグループ
     大豆(脂質が約20%)とピーナッツ(脂質が約50%)
   ②炭水化物を多く含むグループ
     大豆とピーナッツ以外の多くの豆(炭水化物が約60%)
 ・どちらのグループも、たんぱく質、ビタミンB群、ミネラル、食物繊維が豊富

[ 乾燥豆の栄養成分の構成割合 ]
(参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2003年)

  たんぱく質 脂質 炭水化物
大 豆 約30% 約20% 約30%
ピーナッツ 約25% 約50% 約20%
その他の豆 約20〜25% 約2〜5% 約60%

ミックスナッツに入っているけれど、実はナッツではないもの

ミックスナッツに入っているけれど、実はナッツではないものにはいろいろあります。
以下に定番の3つを紹介します。

ピーナッツ(落花生)

ピーナッツはマメ科植物の種子で、木の実ではなく畑で栽培されます。
ピーナッツという英語名には、「pea(マメ科植物)からとれるナッツ」という意味があります。

ジャイアントコーン

ジャイアントコーンはトウモロコシの一品種で、ひと粒が2cmほどもあります。
ミックスナッツには、この粒を乾燥後に油で揚げた「フライジャイアントコーン」の状態で入っています。

かぼちゃの種・ひまわりの種

どちらも文字通りですが、豊富な栄養素が含まれており、生薬としても利用されています。
ミックスナッツ以外にも、サラダのトッピング、パンや製菓の材料などにも使用されます。

摂取する時の注意点

ナッツも豆も古代から貴重な栄養源として食べられているものですが、摂取する時に注意したい点があります。

レクチン

レクチンとは、植物が自己防衛のために生み出すたんぱく質の総称です。
自己防衛、つまり外敵(例えば人間)に食べられても身を守ることができるように、
 ・消化されにくい
 ・特定の栄養素と結合し、吸収を妨げる
などの性質を持っています。
レクチンは多くの植物性食品に含まれていますが、特に生の豆類やナッツ、全粒穀物などに多く含まれます

【 対処方法 】
食品に含まれるレクチンは、十分な加熱や浸水、発芽などの適切な処理によって減少させることができます。
また、レクチンへの感受性は人によってさまざまであり、個人差が大きいものです。
一概に排除するのではなく、ナッツや豆を食べた時のカラダの反応を観察し、不調を感じた時には控えてみるのも良いかもしれません。

アレルギー

アレルギーとは、特定の物質に対して免疫反応が過剰に起こることをいいます。
アレルギーが起こる原因はさまざまで、花粉、ハウスダスト、ダニ、食べ物など多岐に渡りますが、ナッツや大豆は食物アレルギーの代表的なものの一つです。
近年、木の実類(ナッツ)アレルギーが増えており、食物アレルギーの中でも鶏卵や牛乳などと並んで上位にあがっています。

【 対処方法 】
食物アレルギーの診断は、血液検査だけでは確定できません。
ナッツアレルギーの場合、血液検査で複数のナッツに反応していても、実際には食べることができるものもあります。
また、ナッツアレルギーはナッツ全てをひとくくりに除去する必要はなく、個々に判断し、食べられるナッツと食べられないナッツを区別していきます。

大豆アレルギーの場合、豆腐やきな粉などの大豆加工品は食べることができませんが、精製されている大豆油や、発酵している味噌・醤油などは食べられます。
また、小豆、インゲン豆、えんどうなど、大豆(黒豆、枝豆、大豆もやし)以外の豆類も食べることができます。

まとめ

最後に、ナッツと豆の特徴的な項目について、一覧表にしておきます。

  ナッツ
一般的な定義 木の実の種子の中にある
仁を食べるもの(一部例外あり)
マメ科植物の種子
食用になるもの
主なもの アーモンド、クルミ、
カシューナッツ
マカダミアナッツ
ピスタチオ   など
大豆、小豆
インゲン豆、
えんどう、
ひよこ豆、
そら豆、
ピーナッツ  など
摂取方法 ・スナックとして
・サラダなどにトッピングして
・製菓材料として
・さまざまな料理として
・味噌、豆腐、油などに加工して
・豆菓子や製菓材料として
栄養成分 ・健康的な不飽和脂肪酸を多く含む ・栄養成分により、
 2つのグループに別れる
  ①脂肪を多く含むグループ
  ②炭水化物を多く含むグループ
注意点 レシチンが比較的多く含まれる
アレルギーの原因物質になる場合がある

いかがだったでしょうか。
古くから、私たちの食に深く関わってきた「ナッツ」と「豆」。
どちらも植物の種子ですが、食べる部分や栄養成分の特徴に違いがあります。

店頭には、かつてないほど多様なナッツや豆が並んでいます。
そして、ナッツも豆も健康的なスナックや料理の材料としてとても有効です。

自分のカラダに合うものを食生活に取り入れて
カラダと心を軽やかにしていきましょう。

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