ヨガをめぐるこぼれ話 ─ 行動することの意味 ─

ヨガ余聞

今日はムーンデイ、満月です。

ヒトも自然の一部。
月の満ち欠け、潮の満ち引き、
日が昇り日が沈み、季節が確実に巡りゆく …
その大いなる循環の中で生かされています。

そんなムーンデイに、行動することについて思いを巡らせてみました。

何かをしようと思い立ったとき、
行動する前に計画を立てることが大切だと言われます。
仕事、勉強、家事、遊び、旅行、趣味、新しい習い事 ……
具体的な目標を立て、
目標に到達するための道筋を考え、
計画書を作り、
実行する。

ですが、
ヨガでは思い立ったらすぐ行動することの大切さを説いています。

何かをしようと思い立った時、
行動せずに考えはじめる人、
できるできない、やるやらないのゼロイチで考える人は、
たいてい行動しません。

計画の最初に出てくる目標設定はくせものです。
目標を立てた瞬間に、結果が頭にチラつきます。
これをしたらどうなるのか …
最後までやり切ることができるだろうか …
果たして自分にできるのか …
目標通りの結果を得られるだろうか ……

そんなことを考えているうちに、どんどん時間が過ぎていきます。
そうして頭でずっと考え続け、
妄想ばかりがふくらんで、
結局やらなくなるのです。

ではどうするのか。
禅の言葉に「禅即行動」というものがあります。
まず行動する。
これです。

考える前に動く。
アーサナの練習をしようか、と考える前にマットを敷く。
瞑想してみようか、と考える前に座って目を閉じる。
呼吸法の練習を、と考える前に呼吸を意識する。
教典を読もうか、と考える前に本を開く。

思い立ったら考える前に、なんでもいいから動いてみるのです。
動くことで今が変化し、何かが始まります。
反対に、
頭で考えているだけでは何も始まらず、何も変わらず、
できるできない、やるやらないの世界に囚われ続けます。

ヨガでは、二元の意識(良い悪い、好き嫌い、上手下手、できるできない、やるやらないetc.)から脱却することが大切だと考えます。

私たちは物質世界に生まれ、二元的価値観にしばられた世界で生活していますが、
そのような二元の意識から解放されたとき、
自分の内側からエネルギーが湧いてくるのを感じます。

良いとか悪いとか、好きとか嫌いとか、そんな瑣末なことに左右されない無限のエネルギー。
そのエネルギーを感じることと行動することは密接に関係し、切り離すことはできないのです。

そして、ここでのポイントは「何も考えずに」行動すること。
頭で考えはじめた途端、二元の世界に引きずられます。
頭で考えているのはエゴの意識。
エゴの意識は、すぐに行動を止めようとしてきます。

今のまま、
波風立てず、
現状維持で ……

そんなエゴの意識に行動を止められる前に、とにかく動く。
その積み重ねが、今囚われている二元の意識を変えていきます。

自分の中の二元の意識を破る意味でも、行動する!
禅即行動。

今日も、考える前に動きます。

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