巷に溢れる健康情報に、迷ってしまうことがありませんか?
私もうろうろと迷っていた時に、健康的な生活について全般的に学ぶ機会がありました。
そこで学んだ中から、これは自分の生活に生かしていきたいな、と思った事柄を少しずつまとめています。
この記事を読まれたどなたかのお役に立てば嬉しいです。
抑えきれない食欲。
その理由は、ストレスホルモンであるコルチゾールの影響かもしれません。
この記事では、
食欲に影響を及ぼすコルチゾール(ホルモン)とセロトニン(神経伝達物質)について整理してみました。
気になる項目がある方は、目次でジャンプしてください。
コルチゾールとは?
はじめに少し触れましたが、
コルチゾールは「ストレスホルモン」とも呼ばれ、
カラダがストレスに直面したときに副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンです。
適切な量であれば、血糖値の調整や免疫応答など、
重要な生理的プロセスに役立ちます。
ところが、
ストレスが長引き、高レベルのコルチゾールが長期間体内に存在すると、
カラダのさまざまな部分に悪影響を及ぼします。
コルチゾールが食欲に及ぼす影響については後の項目で示しますが、
ここではカラダに与える影響について示します。
高レベルのコルチゾールがカラダに与える悪影響
- 記憶力と学習能力の低下
コルチゾールが過剰になると、脳の海馬(記憶・学習能力に関わる部位)の細胞が損傷を受け、記憶と学習の障害につながる可能性があります。 - 情緒不安定
高レベルのコルチゾールは、脳の扁桃体(情動・感情の処理、恐怖記憶形成に関わる部位)にも作用し、不安やうつ病などの情緒障害を引き起こす可能性があります。 - 睡眠障害
コルチゾールの過剰分泌は、入眠困難や催眠の質を低下させ、これがさらにストレスを増加させる原因となります。 - 脳容積の減少
長期間、高レベルのコルチゾールが続くと、特に海馬と前頭前野の脳容積が減少します。
これらの部位は、意思決定、自己制御、感情の調整に関与しているため、その機能障害が認知や情緒的問題を引き起こす可能性があります。 - 認知機能の低下
長期的なストレスと高レベルのコルチゾールは、認知機能全般に悪影響を及ぼし、特に高齢者では認知症のリスクを高める可能性があります。
セロトニンとは?
セロトニンは「幸せホルモン」とも言われますが、ホルモンではなく脳内の神経伝達物質です。
気分、感情、睡眠、そして食欲に対して影響を及ぼします。
幸せな感情を生み出す神経伝達物質は、大きく4つあります。
セロトニンもその一つです。
セロトニンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
食欲に対するコルチゾールとセロトニンの影響
それでは、コルチゾールとセロトニンが食欲に与える影響についてみていきます。
コルチゾールと食欲
コルチゾールが食欲に及ぼす影響は、ストレスが短期的か長期的かによって変わってきます。
■短期的ストレス
一時的にコルチゾールの分泌が増加 → 食欲抑制
これは、カラダが「戦うか逃げるか」の反応、
つまり、動物が恐怖を感じた時に示す反応に集中し、食欲は抑えられます。
■長期的ストレス
持続的な高レベルのコルチゾール → 食欲刺激
これは、コルチゾールが血糖と代謝に影響を及ぼし、
エネルギー補給の必要性を感じるためで、
高脂質、高糖質な食品への渇望が引き起こされます。
セロトニンと食欲
セロトニンは脳内の神経伝達物質ですが、食欲を抑制する効果を持ちます。
■食欲抑制
セロトニンは満腹感をうながします。
セロトニンレベルが高いと、より満足感を感じやすく、
少ない量の食事でも満腹感を得られるようになります。
■食品選択への影響
セロトニンは、炭水化物の摂取を促進することが知られています。
極端な炭水化物の制限は、インスリンが分泌されず、
セロトニンの材料であるトリプトファンが脳内に到達できません。
炭水化物を摂ることで、セロトニンの合成が促進され、気分が改善されることがあります。
コルチゾールとセロトニンの相互作用
コルチゾールとセロトニンは相互に影響を及ぼし合い、食欲と食行動に複雑な影響を与えます。
長期的ストレスは、以下のような悪循環を引き起こします。
長期的ストレス
→コルチゾール 上昇 ⬆️
→ セロトニン 低下 ⬇️
→ 食欲増加、特定食品への渇望、不安・ストレス増大 ⬆️
→コルチゾール 上昇 ⬆️⬆️
→ セロトニン 低下 ⬇️⬇️
→コルチゾール 上昇 ⬆️⬆️⬆️ …
コルチゾールレベルを下げる習慣
ストレスによるコルチゾールの放出を抑制するためには、ストレス管理が重要です。
以下に、コルチゾールレベルを低下させ、ストレス反応を軽減するために、
日常生活で取り入れたい習慣をあげておきます。
- 運動:適度な強度の運動(ウォーキングやジョギングなど)を週に数回行う
- 瞑想やマインドフルネス:意識を、今この瞬間に集中させる
- 十分な睡眠:できれば一晩に7〜9時間の睡眠をとる
- 健康的な食生活:特に、ビタミンC、オメガ3系脂肪酸、マグネシウムが豊富な食品をとる
- リラクゼーション:呼吸法やヨガなど、心身をリラックスさせる方法を活用する
- 人間関係:信頼できる人と交流をとる
- 興味の追求:好きな活動や趣味に時間を使う
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は食欲に深く関係するコルチゾールとセロトニンについてみてきました。
短期的なストレスはやる気や障害の克服に役立ちますが、
長期的ストレスはカラダに悪影響を及ぼし、
食への嗜好さえ変えてしまいます。
今の食欲は純粋に空腹からきているのか、
ストレスホルモンの影響なのか、
それを確かめることも大切です。
長期的ストレスをいますぐ無くすことは難しいですが、
無理はせずにできることから取り入れて、
カラダと心を軽やかにしていきましょう。