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《書評》『夜明けを待つ』佐々 涼子

私が著者のことを知ったのは、たまたま開いた新聞の文化欄で次のような文章を目にしたからです。 「希少がん」。いい響きではないか。(中略)「希少」は、私には「希望」に見えてくる。この文章は本書のあとがきに書かれているものですが、私はこの一文に目...
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《書評》『生き上手 死に上手』遠藤 周作

先日読んだ、河合隼雄先生の『こころの処方箋』のあとがきで、「『呪文』という言葉は、実は遠藤周作『生き上手 死に上手』(海竜社刊)から教えられたことである。正しいとか正しくないとか、教えられるとか言うのではなく、『呪文』を唱えていると心が収ま...
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《書評》『同姓同名』下村 敦史

発表者がお薦めの一冊を紹介し、観客が一番読みたくなった本を投票で決定する書評ゲーム「ビブリオバトル」。 その「ビブリオバトル」で2023年から2024年1月にかけ、中・高・大学生それぞれの全国大会で優勝本に選ばれた作品。 各年代の全国大会で...
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《書評》『ものがわかるということ』養老 孟司

夕刊の話題の本を紹介するコーナーで目にした本書。 「自分とは」答えは身体に という大文字が目に飛び込んできました。 エゴの頭で考えがちな日々。 わかったつもりで実はわかっていないことも多い。 答えは身体に。 養老先生の「わかるということ」の...
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《書評》『訂正する力』東 浩紀

新書大賞2024が発表された時、第2位『訂正する力』と第3位の本書『客観性の落とし穴』に興味を惹かれ、すぐに図書館で予約しました。 『客観性の落とし穴』に続いて借りることができたので、すぐに読み始めました。訂正する力 じつは••••••だっ...
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《書評》『客観性の落とし穴』村上 靖彦

新書大賞2024が発表された時、第2位『訂正する力』と第3位の本書『客観性の落とし穴』に興味を惹かれ、すぐに図書館で予約しました。どちらも、現代を生きる私たちに疑問を投げかけてきそうな題名です。ようやく順番が回ってきたので、早速読み始めまし...
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《書評》『CARPE DIEM 今この瞬間を生きて』ヤマザキマリ

かつて、奇抜な設定と阿部寛さんの演技に大笑いさせてもらった映画『テルマエ・ロマエ』。 その原作者であるヤマザキマリさんが老いと死にまつわるエッセイを書かれました。マリさんの、老いと死への向き合い方に興味を惹かれて、手に取りました。CARPE...
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《書評》『spring』恩田 陸

新聞広告を見た瞬間、「私はこれを待っていたんだ」と一瞬で虜になった本書。筆記体が滑らかに踊るようなspringという書名。 恩田陸さんの「今まで書いた主人公の中で、これほど萌えたのは初めてです。」という自筆の文字。 主人公の春という名前。 ...
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《書評》『やまだ眼』山田 一成、佐藤 雅彦

穂村弘さんの著書『あの人に会いに』に登場されていた映像作家、佐藤雅彦さん。お二人の対談のなかで、穂村さんが 「新聞歌壇の評では、歌の中では言語化されていないんだけど、 その歌を書いた人のセンサーが感じ取っていることを明らかにしようとしている...
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《書評》『六つの星星 川上未映子対話集』川上 未映子

図書館で著者の『ヘヴン』を探している時、たまたま近くにあった本書。 見るともなく目次を開くと、「『ヘヴン』をめぐって」という文字が目に入り、『ヘヴン』と一緒に借りていました。 『ヘヴン』読後の参考に借りたようなものですが、それ以外の対談も興...