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《書評》『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』今井 むつみ、秋田 喜美

今年の2月ごろの新聞だったと思いますが、「新書大賞2024」に選ばれた本書が大々的に宣伝されていました。ことばはどう生まれ、進化したか ──この疑問に挑戦する認知科学者と言語学者の知的冒険に、大絶賛の推薦文。 「この本はすごい。本当に画期的...
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《書評》『メンタル脳』アンデシュ・ハンセン、マッツ・ヴェンブラード

アンデシュ・ハンセン先生の本はこれまでも何冊か読んできました。 その著書『スマホ脳』や『運動脳』などで、現代社会がいかに私たちの脳と相容れない環境であり、どれほどメンタルを悪化させるのかを示してくれましたが、今回はズバリ『メンタル脳』。「史...
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《書評》『ファラオの密室』白川 尚史

2024年・第22回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作ということで知った本書。 最近ミステリーを読んでいなかったのですが、友情と浪漫に満ちた空前絶後の本格ミステリー、それなのに、舞台が古代エジプトであるためにミステリー用語が出てこ...
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《書評》『ブロークン・ブリテンに聞け 社会・政治時評クロニクル2018-2023』ブレイディみかこ

私が初めて読んだ著者の作品は『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』。 そのリズム感あふれる文章に魅了され、そこから読み出した他の作品でも小気味のよい文を楽しんできました。そして今回。英国事情に特に興味があるわけでもないのですが、著者...
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《書評》『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』ブレイディみかこ

私がブレイディさんの著書を読むようになったきっかけは、本書の文庫本が刊行されたことを知らせる新聞広告を見たことです。「『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の大人の続編」そんなふうに書かれていました。『ぼくはイエローでホワイトで、ち...
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《書評》『パン屋再襲撃』村上 春樹

『神の子どもたちはみな踊る』の書評の文頭にも書いたことなのですが …村上春樹の作品が初めてアニメ映画化された「めくらやなぎと眠る女」。 その原作だと思って手にした『めくらやなぎと眠る女』(新潮社)が実は原作ではなく、映画に関連した短篇3作品...
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《書評》『水車小屋のネネ』津村 記久子

何で見たのか、2024年本屋大賞のノミネート作品はどれも面白そうでしたが、その中で惹かれたのが『水車小屋のネネ』に添えられていた一文でした。誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ本文に出てくる言葉でしょうか。 ちょうどその頃「利他...
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《書評》『ライチョウ、翔んだ。』近藤 幸夫

新聞の読書面に、 「ライチョウのおかげで人生の第2の扉を開けてしまった」 と苦笑する著者が紹介されていました。どんな本かと調べてみたら、表紙のその愛らしさに思わず記事を読み返してしまいました。そんな愛くるしいライチョウを中央アルプスに復活さ...
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《書評》『神の子どもたちはみな踊る』村上 春樹

村上春樹の作品が初めてアニメ映画化された「めくらやなぎと眠る女」。 その原作だと思って手にした『めくらやなぎと眠る女』(新潮社)が実は原作ではなく、映画に関連した短篇3作品を含む24の短篇コレクションであったことに驚きつつ(ちなみに、映画は...
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《書評》『めくらやなぎと眠る女』村上 春樹

映画やドラマに原作がある場合、できるだけ先に原作に触れるようにしています。なにせ、映像の力は強烈なのです。 映像は物語の輪郭を明確に描き、世界をそこに固定します。 映像を見てから原作を読んでも、そこに現れるのは映像で登場したキャラクター、映...