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《書録》『アイデアのつくり方』ジェームス・W・ヤング

人間は忘れる生き物。  どんな感動もどんな興奮も時が経てば記憶の底に沈みゆき、その片鱗さえも見失いがちです。  それは読書も同じこと。  読んだ直度の高揚が、数日後にはすっかり雲散霧消...... などということも。ですが、読みながら機微に...
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《書評》2024年下半期:読書のまとめ

fuuingyogaに掲載している書評から、2024年の下半期に公開した書評を、ジャンルごとにご紹介します(ジャンルは私の感覚です)。興味を持たれた方は、書評本編も読んでみてください(書名をクリックすると本編にジャンプします)。小説(10冊...
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《書評》『転がる珠玉のように』ブレイディみかこ

著者の代表作である『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を遅ればせながら読んでみたら、いやこれが面白い!リズミカルな文章にぐいぐいと引き込まれ、 その続編や周辺作品を続けざまに読んで、元気やら力強さやらをいただいてきました。 そんな...
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《書評》『読んでばっか』江國 香織

「本のプロが導く 夏の読書」と題する新聞誌面の中で、冒頭に取り上げられていたのが江國香織さんのこの本でした。気になりながらもなかなか手に取ることができず、今年(2024年)の異常ともいえる長い夏がようやく終わり、短い秋があっという間に通り過...
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《書評》『私の絵日記』藤原 マキ

最初は新聞の小さな記事で、本書のことを知りました。米国の漫画賞「アイズナー賞」において、本書の英語版が最優秀アジア作品賞を受賞したという内容でした。 著者のお名前にはほとんど馴染みがなく、夫であるつげ義春さんの作品も読んだことがあるのかない...
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《書評》『なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか』ジョナサン・マレシック

燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)。いつ頃からかよく耳にするようになった言葉で、文字面には馴染みがありました。 いやもしかして、自分もその状態に陥ったことがあるような気もします。 でも、あれは本当にそうだったのか?…… そんな感じで...
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《書評》『プラテーロとわたし』J.R.ヒメネス、絵=長 新太、訳=伊藤武好/伊藤百合子

詩人であり、絵本や随筆の傑作も多い長田弘氏。 そんな氏の数ある著作のなかで、私が初めて手にしたのは『私の好きな孤独』でした。そのエッセイのなかで紹介される書籍や物事はどれもが魅力的で、モチーフとなる作品を確認しながら読み進むことになりました...
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《書評》『私の好きな孤独』長田 弘

たまたま見ていたアニメの中で、登場人物が一冊の詩集を手にしていました。 その詩集になぜか惹かれ、実在するのか調べてみたら、本当にありました。馴染みの図書館でも蔵書を持っていることがわかり、早速足を運んだものの、 愛する人を失う経験をテーマに...
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《書評》『自分では気づかない、ココロの盲点』池谷 裕二

著者の最新刊『夢を叶えるために脳はある』は、脳の解説本というには長大なボリュームで、 脳はもちろん、科学、生命、人間、宇宙など広範な話題を巡りながら高校生たちと一緒に脳のビジョンを築き上げていく漂流奇譚です。その中に「ヒトらしさ」、つまり脳...
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《書評》『キオスク』ローベルト・ゼーターラー

著者の『ある一生』の世界に引き込まれ、 同じシリーズ(新潮クレスト・ブックス)、同じ訳者の『野原』を読み、 そして本書が3冊目。先に読んだ2作品が、 たいして大きな事件も起きない名もなき男の生涯や、 かつて小さな町に暮らした死者たちの悲喜交...