《書録》『アルケミスト Anniversary Edition』パウロ・コエーリョ

読書


『アルケミスト Anniversary Edition』は、パウロ・コエーリョが著した世界的ベストセラー『アルケミスト』の出版25周年を記念して発行された美しい装丁本です。

1988年、『アルケミスト』がポルトガル語で初めて出版されたとき、第1刷はたった900冊しか売れず、出版社は再版しないと決定しました。

しかし著者は、この本に対する信頼を失うことなく、自分のビジョンをあきらめる気もありませんでした。
そこに著者の全てが、著者のハートとたましいが込められていたからです。

そのビジョン通り、『アルケミスト』は口から口へと伝えられ、
ついにはニューヨークタイムズのベストセラーリストに掲載されて、
300週以上もの間、リストに載り続けることに。
それ以降、この本は80カ国以上の言語に翻訳され、
今や20世紀の名作の一つとされています。

日本では、1994年11月に地湧社から単行本として発売されました。
その後、角川文庫に収録されることで多くの人に読まれるようになり、昨年(2024年11月)には、コミカライズもされています。

羊飼いの少年・サンチャゴが、夢のお告げを信じて旅に出る。
羊と過ごし、商人に雇われ、キャラバンと移動し、オアシスを後にして、
ついに手にする宝物とは ──
サンチャゴと旅を続けながら、人生の意味を紐解いていく一冊です。

基本情報
・タイトル :アルケミスト Anniversary Edition
・著者/編者:パウロ・コエーリョ (著)、山川 紘矢+山川 亜希子 (訳)
・発行日  :2014年11月30日
・ページ数 :256p
・出版社  :KADOKAWA/角川書店

【 読書メモ 】

◾️ 自分の運命を実現することは、人間の唯一の責任

◾️ 人が何かを望む時、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれる

◾️宝物を見つけるためには、前兆に従って行かなくてはならない

◾️あせるのはやめて、のんびりと。そうすることによってのみ、前兆を読むことができる。そしてそれには、多くの忍耐が必要だということ

◾️この世には、誰もが理解する一つのことばがある。それは熱中するということばであり、愛と目的をもってものごとを達成するということばであり、信じていることや、望んでいることを追求するということばでもある

◾️ 決心するということは、単に始まりにすぎない。決心するということは、まるで、急流に飛び込んで、その時には夢にも思わなかった場所に連れてゆかれるようなもの

◾️ ものごとというものは、すべて、とても単純

◾️人は誰でも、その人その人の学び方がある

◾️人生は私たちにとってパーティであり、お祭りでもある。なぜなら、人生は、今私たちが生きているこの瞬間だから

◾️ 自分の心があるところに、自分の宝物が見つかる

◾️ 学ぶ方法は一つしかない。それは行動を通してである

◾️人が真剣に自分の宝物を探している時、毎日が輝いている。それは、一瞬一瞬が宝物を見つけるという夢の一部だと知っているからである

◾️何をしていようとも、この地上のすべての人は、世界の歴史の中で中心的な役割を演じている。そして、普通はそれを知らない

人間は忘れる生き物。
 どんな感動もどんな興奮も時が経てば記憶の底に沈みゆき、その片鱗さえも見失いがちです。
 それは読書も同じこと。
 読んだ直度の高揚が、数日後にはすっかり雲散霧消 などということも。
 ですが、読みながら機微に触れた内容を整理しておけば、大切なエッセンスだけは自分の中に残る── はず。

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