『ペットの命と生きる本: ペットロスを乗りこえるためのトライアングルケア』は、日本で救急隊員とレスキュー隊員、米国で牧師(教戒士)や救急隊員を務め、数々の災害現場で多くの命を助ける仕事を経験してきた著者が、ペットの命が虹の橋を渡るまでのプロセスにおける総合的なケアについて、知識、考え方、実践法を詳しく解説した一冊です。

ペットは私たちにとって、たんなる動物ではありません。
かけがえのない存在であり、家族の一員。
日々の喜びや悲しみを分かちあい、無条件の愛情を注ぐ存在です。
しかし、すべての生き物には寿命があります。
そして、多くのペットは人より先に逝きます。
つまりペットと暮らしている以上、愛するペットを看取る日がほとんどの人には来るのです。
ペットの終末期から死後までの適切なケアとは、どのようなものでしょうか。
ペットの最期を穏やかに迎え、その後の人生を前向きに歩んでいくには、どうすればいいのでしょうか。
そんな疑問に対して著者が提唱しているのが、ペットが虹の橋を渡るプロセルを3段階に分けて考える「トライアングルケア」です。
「ペットとの絆は、死によって消えてなくなるものではありません。かたちを変えて、私たちの心のなかで生き続けていくのです。だからこそ、最期の時間をどう過ごし、その先の悲しみとどのように向き合っていくかが大切になります。」
そう語る著者が、最期の時間を有意義に過ごすための心構えを、具体的に示してくれます。
基本情報
・タイトル :ペットの命と生きる本: ペットロスを乗りこえるためのトライアングルケア
・著者/編者:サニー カミヤ (著)
・発行日 :2024年9月20日
・ページ数 :160p
・出版社 :緑書房
【 メッセージ 】
◾️トライアングルケアの3段階
①ターミナルケア(終末期ケア):命の終末に向かうペットと家族へのさまざまなケア
②グリーフケア(祝別ケア):終末を迎えたペットへの対応と家族の心へのケア
③スピリチュアルケア(命のケア):魂となった命および新しい命と向き合うための心のケア
◾️ターミナルケアの目的
・一緒に貴重で幸せな時間を過ごしたペットの尊厳を守り、最期まで自分らしく生きられるようサポートする
・「ペットのために最後までやれることを精一杯してあげられた」と思えるようなケアを行い、いずれ来るペットロスの悲しみを少しでも軽減する
◾️すでに治療が難しく、余命が限られているペットに対してやるべきことは、残された日々におけるQOL(クオリティ・オブ・ライフ、生活の質)の向上とメンタルケア。
痛みの管理、メンタルケア、環境の整備の3つを軸に、ペットが最期まで自分らしく、快適に過ごせるようにケアを行う。
◾️グリーフケアの目的
・ペットを亡くした飼い主の深い悲しみに寄り添い、喪失の痛みを和らげ、新たな日常を歩んでいけるようにする
・ペットとの思い出をポジティブに捉え、永遠の絆として心に刻んでいく
◾️グリーフケアはペットの死後だけでなく、事前にできることもある(葬儀や死後の手続きを把握するなど)。
生きているうちから死を考えるという行為に抵抗感を抱く人も多いだろうが、ペットとの別れの際にさらに傷ついたり後悔したりすることがないよう、情報を得ておくことは大切である。
◾️スピリチュアルケアの目的:
・命のつながりへの意識を高め、新しい命を迎え入れるための準備をする
・ペットを失った悲しみを乗りこえ、やがては新たな命との出会いに心を開くことができるようサポートする
◾️ペットの死は飼い主にとってはあまりにも悲しく、心に穴が開いてしまったような喪失感をもたらす。しかし、死を喪失や終わりとして捉えるのではなく、魂の成長と進化のプロセスであるという視点をもつことで、悲しみから新たな希望を見出す方向に進むことができる。
◾️ペットとの生活は、私たちに「生きる」ことの本質を教えてくれる。それはときに喜びであり、ときに悲しみだ。そのすべてが私たちを成長させ、より豊かな人生へと導いてくれる。
◾️朝起きたときのあいさつや、ふと不安が襲ってきたときなどに、ペットの魂に話しかけてみよう。ペットの返事が聞こえなくても、あなたの声はきっとペットの魂に届いている。
人間は忘れる生き物。
どんな感動もどんな興奮も時が経てば記憶の底に沈みゆき、その片鱗さえも見失いがちです。
それは読書も同じこと。
読んだ直度の高揚が、数日後にはすっかり雲散霧消…… などということも。
ですが、読みながら機微に触れた内容を整理しておけば、大切なエッセンスだけは自分の中に残る── はず。
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