《書録》『新装版 ペットがあなたを選んだ理由』塩田 妙玄

読書


『新装版 ペットがあなたを選んだ理由』は、ペットライターを経て僧侶となった著者が、愛おしい存在への愛と執着に苦しんだ末に「死は別れではない」ということを受け入れ、今、まさに苦しんでいる方々にそのメッセージを届けるために書き上げた本です
2012年刊行書籍の新装版。

初版を刊行してから10年余り。

著者は、動物保護活動やうちの子のお世話に日々奮闘していますが、その関係性は初版刊行時と驚くほど変わっていないそうです。

大急ぎで変容していく世の中に対して、泥臭く非合理的でアナログな世界。
病気に一致一憂したり、
おしっこを拭いたり、
いいうんちに喜び、
安らかな寝顔に愛おしさを感じる ──

犬猫たちとのコミュニケーションツールは、昔ながらの観察眼と理解したいという思いだけ。
そんな中で著者が体験し、感じ、受け取り、咀嚼したものが、本書では惜しみなく綴られています。

大切な犬、愛おしい猫との別れに胸がつぶれるほど苦しくなっている方が、
思いきり泣けますように
そしてまた笑顔を取り戻せますように……
そう願う、著者のエネルギーが込められています。

基本情報
・タイトル :新装版 ペットがあなたを選んだ理由
・著者/編者:塩田 妙玄 (著)
・発行日  :2023年9月18日
・ページ数 :272p
・出版社  :ハート出版

【 メッセージ 】

◾️クロには多くのことを教えてもらった。だったら、「クロ、ごめんね」と泣くのではなく、「クロ、ありがとう‼︎ 」と笑って感謝をしたい。同じ出来事でも、解釈(認知)の仕方で、天国にも地獄にもなる。

◾️あなたがその子に伝えたい感謝の言葉。それこそがあなたとその子が出会った意味である。
 あなたがその子から「心の支えになる」ことを学んだのなら、今度はあなたがそれを実践する番である。
 他の誰かから「あなたは私の心の支えになってくれたわ。ありがとう」
 そんなふうに言われるように。
 そのことを実践していくうちに「亡くなったうちの子は、私の心の中で生きている」という実感になっていく。

◾️愛された犬猫は、飼い主の良かれと思った選択を甘んじて受け入れる、と私は思う。
 愛してくれた飼い主の選択を責めたりする犬猫を、私は知らない。

◾️「死んだら全て終わり」
 果たしてそうだろうか? 死んだら無になるのか、死してまだ人生は続くのか、どちらも俗にいう科学的には証明されていない。だから、死んだあとの世界をどう解釈してもよいのである。
 形あるものばかりが、真実ではない。
 真実とはあなたが信じたことである。

◾️静かに感じてほしい。死んだあなたのあの子が、そばにいることを感じないだろうか?
 あなたは時折、この子に語りかけているのではないか?
 死んで無になるなら、死んだら魂が無くなってしまうならば、あなたは誰に向かって語りかけているのだろうか?

◾️物事に「絶対」はない。
 しかし、あきらかに「絶対」というものもある。そのひとつが、私たちのペットは近い将来に「絶対に死ぬ」ことである。この「絶対」はあきらかな「絶対」なので、「その子の死後の自分」の生活を想定しておくことは、健全なペットロスの回避方法でもある。
 その子の死後も、自分の生活は続くのである。ならば、楽しい人生であってほしい。
 この子を天に送ったら、こんなこともあんなこともしてみよう。
 うちの子が闘病しているときに、こんなことを考えるのは不謹慎だろうか?
 私は苦しく、長い介護生活には、こんな楽しみも必要だと思っている。

◾️どうか、罪悪感に飲み込まれそうになったとき、悲しくて、寂しくて、苦しくて仕方がないときに、「〇〇でありがとう。10回」をぜひ、試してほしい。
 思い出をひとつひとつ引き出しながら、うちの子との幸せな日々を改めて見つめてほしい。
 時間と共に、「ありがとうの内容」は変わっていく。
 それは死してなお、ペットと飼い主の絆や関係性が育ち続け、強化されているからである。

◾️何百という魂の中でこの子と出会えた喜び、共に過ごした幸せな時間。こんなにも「誰かを愛せる」ということを教えてもらった。「誰かを愛する」ということはこんなにも幸せで、こんなにも絶大なパワーを生み出すものなのか、そんなことを教わった。
 さらに、誰かに「愛される」「求められる」ということは、こんなにも幸せなことなのか。
 あなたはその子とそんな至福の時間を十分に味わった。

◾️あなたの愛した子は、あなたの笑顔が大好きだった。

人間は忘れる生き物。
 どんな感動もどんな興奮も時が経てば記憶の底に沈みゆき、その片鱗さえも見失いがちです。
 それは読書も同じこと。
 読んだ直度の高揚が、数日後にはすっかり雲散霧消 などということも。
 ですが、読みながら機微に触れた内容を整理しておけば、大切なエッセンスだけは自分の中に残る── はず。

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