『すぐやる脳』は、現役脳神経外科医の著者が、脳の本来の性質を踏まえた上で「すぐやる」を実現させるための方法を示した本です。

そもそも、脳の本質とはどのようなものなのでしょうか。
「勤勉で、一途で、目的遂行能力が高い」
ですか?
いえいえ。
それはひとつの理想ではありますが、脳の本質とは全く逆。
じつは、みんなが薄々感じているように、
「怠惰で、流されやすく、誘惑に弱い」。
そう。
それが、脳の本質です。
脳は、体重に比べて消費エネルギーが非常に大きな臓器であり(体重の約2%を占めるに過ぎないが、消費エネルギーは全体の20%以上にも及ぶ)、これほど大量のエネルギーを使う臓器は、ほかにありません。
そのため、脳は余計なエネルギーを使わず、危険な目に遭わないように、極力エネルギーを温存しようとします。
つまり、「できれば何もしたくない」。
要するに「怠け者」なのです。
そんな怠惰な脳を効率よく動かす仕組みが、たった一つだけ存在します。
その仕組みを知って、脳をうまくコントロールできれば、
「やりたくない脳」は「やりたがる脳」に変化します。
どうすれば「やりたがる脳」に変わるのか。
その唯一無二の方法が述べられています。
基本情報
・タイトル :すぐやる脳
・著者/編者:菅原 道仁(著)
・発行日 :2024年8月14日
・ページ数 :208p
・出版社 :サンマーク出版
【 読書メモ 】
◾️ 唯一無二の方法は「ドーパミン・コントロール」
・ドーパミン・コントロールの3ステップ
①自己暗示をかける:「△△を◯分で行う」「今日は♢♢を必ずやる」などと脳に言い聞かせる
②スモールステップに分ける:目標を細分化し、小さな成功体験を積み重ねる
③ドーパミンを分泌させる:運動、瞑想、趣味に没頭する、音楽を聴くなどでドーパミンの量を増やす
◾️ すぐやる
・「すぐやる」ためには、環境も状況も気にせず、まず着手することが重要。体を使った作業をすることで脳のやる気スイッチに指令が届き、あとからやる気がわいてくる。
・脳科学的に言うと「完璧なんて目指さない」という姿勢こそが、「すぐやる」を可能にしてくれる。「満点でなく、合格点でいい」。そんなふうにゴールを下方修正することで、作業の速度が飛躍的に速まる。
◾️こまめにやる、早めにやる
・「こまめにやる=かっこいい」というように思い込みを変えて、「こまめにできる」と自己暗示をかけ、ドーパミン・コントロールを続けていく。
・度を越してまで「こまめにやる」ことができるのは「好きだからこそ」。もし、「こまめにやる」ことに抵抗や疑問やストレスしか感じないとしたら、その対象のことが嫌いで、「こまめにやる」べきことではないのかもしれない。
◾️続ける
・「常に新しい刺激をほしがる」脳とうまく付き合い、ドーパミン・コントロールを「続ける」ためには、「ゲーミフィケーション(目的に自発的に取り組み達成するために、ゲーム感覚で楽しめるように工夫する)」が効果的。
例:いつもと違う場所で作業する、作業の順番を自由に変えてみる、報酬としてささやかな幸せを設定する、時間短縮・効率化を目指す、仲間と喜びをシェアする、達成度を可視化する
◾️決める、選ぶ
・「決める」「選ぶ」をすぐできる人になりたいなら、日常的に決断する機会を増やす。この際、ドーパミン・コントロールの手法を利用する。
「決める」「選ぶ」機会を増やし、意識的に決断を行う。
その直後に、「決断できた自分」を褒める(決して、後悔はしない)。
すると、成功体験を味わえたことに対してドーパミンが出て、満足感や達成感が得られる。
◾️挑戦する
・「挑戦する」クセをつけたいときは、過去ではなく、未来を見つめることが大事。「未来志向性」を意識する。
挑戦グセがつくと、ドーパミン・コントロールをローテーションさせる回数もおのずと増え、成功体験もひとりでに増えていく。
◾️怒らない
・「怒らないレッスン」にはドーパミン・コントロールの手法を利用する。 「怒らない」(怒っても表情に出さない)というルールを自分に課して1日を過ごし、たとえ1回でも「怒らない」回数を増やすことができれば、それを成功体験として脳に刻み込む。
そのときに「うれしい!」と強く感じること。ドーパミンが報酬として分泌され、「明日も頑張ろう」という前向きな気持ちもわいてくる。
人間は忘れる生き物。
どんな感動もどんな興奮も時が経てば記憶の底に沈みゆき、その片鱗さえも見失いがちです。
それは読書も同じこと。
読んだ直度の高揚が、数日後にはすっかり雲散霧消…… などということも。
ですが、読みながら機微に触れた内容を整理しておけば、大切なエッセンスだけは自分の中に残る── はず。
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