まんまるだったお月様が少しずつ欠け、数日後には姿が消える新月です。
ヒトも自然の一部。
月の満ち欠け、潮の満ち引き、
日が昇り日が沈み、季節が確実に巡りゆく …
その大いなる循環の中で生かされています。
そんな日々の中で、バランスについて思いを巡らせてみました。
とある午後。
ヨガ教室の生徒さんに「バランスのポーズを上手くするにはどうすればいいですか?」と質問されました。
その翌週、いつもは何でもないバランスのポーズで、なんと私自身が盛大にバランスを崩してしまいました。
なんともお恥ずかしい。。
その時の私は、数日前からなんだかそわそわと落ち着かない気持ちを抱えていました。
そわそわとしながらも自分を整えることをおろそかにしていたので、
整っていないことをはっきりと自覚させるために、
レッスン中にバランスを崩すなどというお知らせがきたのだと思います。
そのような体験を、自分が学んでいるヨガ哲学の講座の中でシェアしたところ、
先生から次のような質問をされました。
「バランスが取れない原因はなんでしょうか?」
バランスが取れない原因 ……
例えば私は、べき思考が強くなっていると、バランスが取りにくくなります。
「〜すべきである」。
そんなべき思考に陥っている時の状況は、こんな感じです。
・視野が狭くなる
・全体が見えなくなる
・調和していない
・外側の評価を気にしている etc.
つまり、非常に窮屈なのです。
窮屈というのは束縛から生まれます。
べき思考に陥ると、束縛がかかります。
こうしなきゃいけない、ああしなきゃいけない。
そうした束縛の結果、柔軟性を失います。
硬い木の幹がちょっとした衝撃でポキンと折れて、
倒れてしまうように、
硬直した状態は変化に対応できません。
そんな心の硬直は体の硬直にもつながり、バランスのポーズも難しくしてしまいます。
バランスを取るには、いろんな方向に柔軟に応じられるしなやかさが必要。
柔軟だからこそ、バランスが取れるのです。
私たちが日常生活で苦しむ原因は様々ですが、
二元的な価値観に囚われて苦しむ場合が多くあります。
善と悪、好き嫌い、光と闇、男と女 ……
価値があるとかないとか考えてしまうのも、二元的価値観です。
そんな二元的価値観から脱却するには、バランスをとることが不可欠です。
ヨガをする原因も人によって様々でしょうが、
ヨガが心身の柔軟性を追求するのは二元的価値観から脱却するため、
というのは大きなポイントです。
心身の柔軟性がないと、二元的価値観からは脱却できないからです。
とはいうものの、
心の硬さはなかなか気づきにくいものです。
(簡単に気づけるようなら、そこまで硬くなったりしませんよね。)
だからまず、カラダの硬さを取り除くことにします。
心とカラダは繋がっています。
カラダの硬さを取り除くことによって、少しずつ、心の硬さも取り除かれていくものです。
カラダの硬さがなかなか取り除けない場合、
そこには心の硬さも関係しているかもしれません。
ともあれ、
ヨガで心身の柔軟性を養うのは、二元的世界でバランスをとるため。
バランスをとって自由に生きるため。
そのことを心に留めて、自分自身と向き合う練習を続けていきます。