明日はムーンデイ:マニュアルにしないために

ヨガ

明日はムーンデイ、新月です。
アシュタンガヨガでは、ムーンデイには練習を行いません。
そんなムーンデイを前に、ヨガの指導とマニュアル、ということについて思いを巡らせてみました。

私が指導させていただいているヨガ教室では、大まかなシークエンスが決まっています。

シークエンスとは、さまざまなアーサナを組み合わせ、1回のクラスにおけるアーサナの順番や流れを構成するものです。

私が指導させていただいているのはアシュタンガヨガではないので、毎回シークエンスを考え、実施するアーサナも変化します。
ですが、シークエンスのここではこれをする、といったきまりがいくつかあり、そこにはほとんど手を加えずに、型に則って行います。

さて、この型です。
年齢性別カラダの状態関係なく、毎日行えば心身を整える効果があると考案された歴史あるその動き。
最も基本であるからこそ毎回行うのですが、それがマニュアルになってしまってはいなかったか、と考えさせられる出来事が最近ありました。

マニュアルとは、言わずと知れた手引書のことです。
ある事柄を標準化・体系化して作られた記録物で、それを見ればだれでも一貫性のある行動をとることができる、というものです。

指導を始めた頃は、この型を覚えるのに必死でした。
とにかく、間違えないように。
順番を抜かさないように。
変なお声掛けをしないように。
その点では、決められた型というのはマニュアルで、当初はマニュアル丸暗記だったのかもしれません。
そんなマニュアルが便利な場合もありますが、反面それは判で押したようなもの。
融通が効かず、柔軟性がありません。

そしてヨガとは、マニュアル通りするようなものではありません。
アーサナをする理由はいろいろありますが、そのひとつに、アーサナを通して自分のカラダに意識を向け、カラダの固いところを緩めることで心を緩めていく、ということがあります。
その場合の私の役割は、その時その時のクラスにおいて、生徒さんが自分のカラダに意識を向けられる空間にしていくこと。
そして、それを達成するためには今どうすればいいのか、現場の中で判断していくことです。

ところが、毎回行う型です。
動きもお声かけも、そう変化するものではありません。
逆に、毎回変化させると生徒さんに余計な違和感を与えてしまいかねません。
ですが、だからといってそこにあぐらをかいてはいなかったか … 。

はっきりとそう意識していたわけではありませんが、その傾向があったことを否定できない。
それに気づかされた時、愕然としました。
そして、ここで気がつくことができてよかった、と安堵しています。

毎回同じことを繰り返す、というのは、意識的に行わなければすぐに惰性に取って代わります。
その惰性になんらかのよい影響があればまだしもですが、ただの退屈になってしまっては残念なことです。
生徒さんが教室に来てくださる理由はさまざまでしょうが、せっかくヨガにご縁があったのです。
歴史ある動き、そしてそれを含めたクラス全体が、生徒さんの心身を少しでも整える場となれば嬉しいものです。

そして、そのためには私も毎回柔軟に対応していくことが大切。
そんな心持ちを忘れないために、今回の出来事があったのだと感謝しています。

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